日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 専門医在籍施設

めまいの原因・症状と放置するリスク【耳鼻科専門医が解説】

めまいは耳鼻科で扱う代表的な症状の一つです。

多くの方が経験する身近な症状ですが、その原因は耳の異常から脳の疾患まで実にさまざまです。適切な治療を受けずに放置すると、思わぬ悪影響や危険を招くこともあります。

原因

めまいを起こす主な原因には以下のようなものがあります。

  • 耳の異常
    • 内耳(三半規管や前庭)の障害により平衡感覚に支障をきたす状態です。代表的な病気に、耳石(平衡感覚をつかさどる微小な石)がずれて起こる良性発作性頭位めまい症や、内耳のリンパ液が増えて圧が高まるメニエール病などがあります(メニエール病ではめまいが数十分~数時間程度続き、時に耳がつまった感じ・耳鳴り・難聴を伴うことが多いのが特徴です)。
  • 脳の異常
    • 小脳・脳幹の血流障害や脳出血、脳腫瘍など中枢神経系の異常でもめまいが起こります。脳卒中(脳梗塞・脳出血)の場合、激しいめまいと共に、強い頭痛・手足の麻痺・ろれつが回らないといった神経症状を伴うことがあり、これらが見られたら緊急の治療が必要です。
  • その他の原因
    • 全身状態や心因性の要因でもめまいは生じます。例えば貧血や低血圧による一時的な脳の血流低下、更年期のホルモン変動、強いストレスや不安など多岐にわたります。なお、高血圧症やうつ病などの治療薬の副作用でふらつきの症状が現れる場合もあります。

症状

めまいの感じ方にはいくつかの種類があります。

周囲がぐるぐる回る「回転性めまい」、ふわふわと浮くような「浮動性めまい」、立ちくらみのように意識が遠のくタイプなど、大きく3つに分類されます。ただし、これらの分類はあくまで目安であり、該当しない場合も多々あります。めまいの種類だけで病気が特定できる訳ではありません。

回転性めまい

自分や周囲が実際には動いていないのにグルグルと回転して見えるタイプのめまいです。

内耳の平衡感覚をつかさどる部分の異常で起こることが多く、立っていられないほど激しい回転感や強い吐き気を伴うこともあります。

耳が原因の典型的な耳性めまいでは、めまいと同時に吐き気・嘔吐や耳鳴り、難聴、耳が詰まるような耳閉感といった症状を伴うことがよくあります。

浮動性めまい

ふわふわ宙に浮いているような不安定な感覚のめまいです。

まるで船に乗っているときのように足元がフラフラする感じとも表現されます。このタイプのめまいは原因が様々で、内耳の障害でも起こりますが、足腰の筋力低下、自律神経の乱れや心理的ストレスが関与していることも多いです。

場合によっては脳の血流不足など脳に関連する病気が隠れていることもあり、めまいに頭痛や手足のしびれが伴うときは注意が必要です(そのような場合は脳腫瘍や脳梗塞の可能性があります)。

立ちくらみ・失神型

急にクラッとして視界が暗くなり、意識が遠のくように感じるめまいです。

立ち上がった瞬間などに血圧が急降下して脳への血流が不足することで起こり、ひどい場合はそのまま失神して倒れてしまうこともあります。

貧血、脱水、不整脈といった要因が誘因となることが多く、一時的な症状とはいえ頻繁に起きる場合は念のため医療機関で検査を受けましょう。

放置するリスク

「めまいくらいそのうち治るだろう」と放置してしまうのは大変危険です。

考えられる主なリスクを挙げます。

  • 転倒や事故の危険
    • めまいによってバランスを崩すと、階段の上り下りや歩行中に転倒しケガをするリスクが高まります。特に足元がふらついて階段から落ちたり、道路で転倒すると重大な事故につながる可能性があります。
  • 症状の悪化・慢性化
    • めまいは一時的に治まっても再発しやすく、放っておくと一層悪化することもあります。適切な治療や生活改善をしないまま繰り返すと、慢性的なめまいに移行して日常生活に長期的な支障をきたす恐れがあります。
  • 重大な病気の見逃し
    • めまいの裏に脳卒中(脳梗塞・脳出血)や脳腫瘍など命に関わる病気が潜んでいる可能性もあります。特に「めまいと同時に激しい頭痛がする」「片側の手足が麻痺する」といった症状を放置すると手遅れとなる危険が高く、早急な専門治療が必要です。
  • 聴力への影響
    • 耳の病気が原因のめまい(耳性めまい)を適切に治療せず放置すると、繰り返す発作により聴力の低下が進行してしまうケースがあります。例えばメニエール病では、めまい発作を繰り返すうちに難聴などの聴覚障害につながることがあります。早期に治療を開始することで、こうした聴力へのダメージを防げる可能性があります。
  • 生活の質の低下
    • 頻繁にめまいが起こると、仕事や車の運転が困難になり外出を控えるようになるなど、社会生活に大きな制限が生じます。この結果、周囲から孤立してしまい生活の質(QOL)が低下してしまう恐れがあります。
  • 心理的ストレス
    • 「まためまいが起こるのでは」という不安感から慢性的なストレスや不眠症を招き、さらにはうつ症状を引き起こすこともあります。精神的な負担が大きくなるとめまいがさらに悪化する悪循環に陥る可能性もあります。

よくある質問(FAQ)

Q1. めまいが起きたとき、まずどう対処すればいいですか?

めまいを感じたら、まず安全な姿勢をとりましょう。立っている場合は座るか可能なら横になり、転倒しないようにします。静かな場所で楽な姿勢をとり、落ち着くまで安静にしてください。

特に頭を急に動かすと症状が悪化することがあるため、ゆっくり静かに休むよう心がけます。もし激しい頭痛や手足のしびれ・麻痺など普段と異なる症状を伴う場合は、ただちに救急車を呼ぶか救急病院を受診してください。

めまいは耳鼻咽喉科で診てもらえますか?

多くの場合、めまいは耳鼻咽喉科(耳鼻科)で診察・治療が可能です。内耳の異常によるめまいであれば耳鼻科が専門領域であり、医師が耳の中の診察や聴力検査、眼振検査などを組み合わせて原因を特定します。その上で、原因に応じた適切な治療(薬物療法やリハビリ指導など)を受けることができます。

実際、めまいと同時に耳鳴りや難聴がある場合や、めまい発作を繰り返している場合、片側の耳に症状が偏っている場合などは、早めに耳鼻咽喉科を受診すべきサインです。

一方、激しい頭痛を伴う、手足の麻痺がある、言葉がうまく出ないといった神経症状を伴うめまいは脳卒中の可能性が高く、耳鼻科ではなく脳神経内科や脳神経外科などを速やかに受診してください。

耳鼻科ではめまいに対してどんな検査をしますか?

耳鼻咽喉科では、めまいの原因を調べるために以下のような検査を組み合わせて行います。

まず医師が専用の器具で耳の中を診察し、中耳炎など耳自体の病気がないかを確認します。次に、眼振(がんしん)検査といって、めまい発作時に眼球が無意識に細かく揺れる現象(眼振)が起きていないか調べます。場合によっては場合によっては聴力検査や、脳の状態を確認するMRI検査などが行われることもあります。

こうした検査結果を総合して、耳が原因のめまいかどうか、脳の病気の有無などを判断します。

受診案内

田中外科医院では、日本耳鼻咽喉科学会認定の専門医がめまいの診療にあたっており、耳の検査から必要な治療まで一貫して対応可能です。

大阪市阿倍野区の地下鉄西田辺駅から徒歩3分と通院しやすい立地にあり、Web予約にも対応していますので最短で当日からご予約いただけます。めまいは決して放置せず、つらい症状や不安を感じたらどうぞ当院にご相談ください。