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耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)と耳管開放症(じかんかいほうしょう)は、鼻から中耳につながる細い管である「耳管」の機能異常によって起こる疾患です。
通常、耳管は嚥下(飲み込み)やあくびの際に開閉して中耳の気圧を調整しています。しかし耳管の働きがうまくいかなくなると、耳が詰まったような不快感や聴こえの異常など、さまざまな症状が現れます。
原因
- 耳管狭窄症の原因
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耳管狭窄症は、主に風邪やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などに伴う上咽頭(鼻やノド)の炎症によって耳管の粘膜が腫れ、通り道が狭くなることで起こります。
また、小児でのアデノイド(咽頭扁桃)の肥大や、まれに鼻咽頭の腫瘍などで耳管が圧迫されて塞がってしまうことも原因となります。これらにより耳管が十分に開かなくなると、中耳内の圧力調整ができず症状が生じます。
- 耳管開放症の原因
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耳管開放症は、急激な体重減少(無理なダイエット)や妊娠によるホルモン変化、体調不良や強いストレスなどが引き金となり、耳管が常に開いたまま閉じにくくなることで発症します。
例えば急な減量で耳管周囲の脂肪組織が減少すると耳管の閉鎖が不十分になりやすく、また妊娠中はホルモンや体液バランスの変化で耳管機能が影響を受けることがあります。これらの要因で耳管が開きっぱなしになると、正常な開閉が行えず症状が現れます。
症状
耳管狭窄症と耳管開放症に共通する症状として、耳が詰まった感じ(耳閉感)や音がこもって聞こえる難聴気味、そして耳鳴りなどが挙げられます。どちらの状態でも、耳の中の気圧調整がうまくいかないために閉塞感が生じ、周囲の音が聞こえにくくなることがあります。
一方で、それぞれの疾患特有の症状もあります。
耳管狭窄症では耳管が塞がって空気が通りにくいため、中耳に液体が溜まり滲出性中耳炎を併発して軽い難聴が起こる場合があります。
耳管開放症では耳管が開きっぱなしになる影響で、自分の声や呼吸音が異常に響いて聞こえる(自声強聴・自己呼吸音聴取)という特徴的な症状が現れます。特に耳管開放症の方は、頭を下げる(頭を心臓より下にする)と一時的に症状が楽になる傾向があります。
放置した場合のリスク
耳管狭窄症や耳管開放症をそのまま放置していると、症状が長引くだけでなく、耳の健康にさらなる悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
- 耳管狭窄症を放置した場合
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耳管狭窄症では耳管の通気不良が続くことで中耳に液体が溜まりやすく、滲出性中耳炎を発症するリスクがあります。
特に重症化すると、癒着性中耳炎(鼓膜の凹みが強くなり中耳の構造物に癒着する中耳炎)や、真珠腫性中耳炎(耳垢が腫瘍のように中耳の構造を破壊する中耳炎)へ進行する危険性があります。
滲出性中耳炎になると慢性的な難聴の原因となったり、中耳の構造に癒着が生じてさらなる聴力悪化を招くこともあります。また、長期間中耳炎が続くと鼓膜や中耳粘膜にダメージが蓄積し、治療が長引く可能性があります。真珠腫性中耳炎まで進行すると、聴力低下だけでなくめまいや顔面神経まひなどの症状を起こす場合があり、この状態になってしまうと内服治療では改善が難しく手術が必要になることもあります。
- 耳管開放症を放置した場合
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耳管開放症そのものでは聴力が急激に悪化することは少ないものの、鼻と耳が常時繋がった状態を放置すると、鼻咽腔の細菌が耳に入り込み中耳炎を起こしやすくなります。
さらに、自分の声や呼吸音が常に響く不快な状態が続くことで強いストレスとなり、睡眠障害や集中力の低下など日常生活への支障や、場合によっては精神的な不調をきたす恐れも指摘されています。
以上のように、これらの疾患は放置すると深刻な合併症や生活の質の低下につながる可能性があるため、早めの対処が肝心です。
よくある質問(FAQ)
受診案内
耳の違和感や閉塞感が続く方は、できるだけ早めに耳鼻咽喉科専門医を受診しましょう。自己判断で市販薬を使ったり放置したりするのではなく、専門医による診断・指導のもとで適切な対処を行うことが重要です。
当院(田中外科医院)の耳鼻咽喉科には日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定の専門医が在籍しており、患者様一人ひとりに寄り添った親切・丁寧な診療を心がけています。気になる症状は、早めにご相談ください。
