日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 専門医在籍施設

新学期に流行る中耳炎・扁桃炎、予防と早期発見のポイント

目次
患者さん

田中先生、子どもが新学期になると体調を崩すことが多くて…。特に耳やノドの症状が目立つんです。

田中先生

それは心配ですね。新学期は環境の変化や人の交流が増えて免疫が落ちやすく、ウイルスや細菌による感染症が増える時期なんです。中耳炎や扁桃炎は特にこの時期に増える傾向があります。

患者さん

原因は何でしょうか?

田中先生

中耳炎も扁桃炎も、主な原因は細菌やウイルスの感染です。風邪をひいた後などに、鼻やノドの奥にいる菌が耳や扁桃に広がって炎症を起こすことが多いですね。


患者さん

それぞれどんな症状が出るんでしょうか?

田中先生

まず中耳炎では、次のような症状が出ます。

  • 耳の痛み
  • 耳だれ(耳から液体が出る)
  • 発熱(38度以上になることも)
  • 子どもの場合、耳をしきりに触る、ぐずる
田中先生

一方、扁桃炎では以下のような症状があります。

  • ノドの激しい痛み
  • 高熱(39度以上になることも)
  • 飲み込みづらさ
  • 首のリンパ節の腫れ、倦怠感
患者さん

中耳炎も扁桃炎も、発熱があるんですね。

田中先生

はい。小さなお子さんだと症状をうまく訴えられないので、機嫌が悪い・ぐったりしているなどもサインになります。


患者さん

どうやって治すんでしょうか?

田中先生

どちらも抗生物質を使うのが一般的です。ただし、軽いウイルス性の場合は自然に治ることもあります。

患者さん

薬だけで良くならないこともありますか?

田中先生

そうですね。中耳炎が繰り返される場合や、滲出性中耳炎が長引く場合には、鼓膜切開やチューブ挿入といった処置が検討されることがあります。扁桃炎でも、年間に4回以上の再発がある場合には扁桃摘出術を勧めるケースもあります。


患者さん

予防ってできますか?

田中先生

もちろんです。以下の生活習慣の見直しが大切になります。

  • 手洗いの習慣(ウイルスの侵入を防ぐ)
  • 十分な睡眠と栄養バランスの良い食事(免疫力の維持)
  • 加湿器などで湿度を保つ(ノドの粘膜を乾燥から守る)
  • 受動喫煙を避ける(副流煙は粘膜を弱らせ、感染リスクを高めます)
患者さん

やっぱり基本が大事なんですね。

田中先生

そうなんです。特に手洗いは、感染症予防の第一歩です。


患者さん

早めに気づくにはどうしたらいいですか?

田中先生

保護者の方が日々の様子を観察することが大切です。以下のサインを見逃さないようにしましょう。

  • 耳をよく触る・痛がる
  • 耳だれが出る
  • 不機嫌(ぐずる)
  • テレビの音を大きくする・聞き返す
  • 発熱
  • ノドが痛くて飲み物や食べ物を嫌がる
  • よだれが増える(飲み込みづらいため)
  • 発熱が続く
  • 首のリンパ節が腫れる
田中先生

38.5度以上の熱が2日以上続く場合や、食べられない・水分がとれない場合はすぐに受診してください。


  • 中耳炎と扁桃炎は新学期に流行しやすい感染症で、細菌・ウイルスが原因。
  • 中耳炎の主な症状:耳の痛み、耳だれ、発熱、聞こえづらさ。
  • 扁桃炎の主な症状:ノドの痛み、高熱、飲み込みづらさ、首のリンパ節の腫れ。
  • 治療は主に抗生物質だが、繰り返す場合は手術の選択も。
  • 予防には手洗い・うがい・睡眠・加湿・禁煙環境が重要。
  • 早期発見には、子どもの行動や様子の変化(ぐずる)を観察することがカギ。
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