日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 専門医在籍施設

【耳鼻咽喉科専門医が解説】夏の風邪による鼻水

患者さん

先生、夏なのに鼻水が止まらなくて…風邪でしょうか?

田中先生

夏風邪の可能性がありますね。夏はアデノウイルスやエンテロウイルス、コクサッキーウイルスといったウイルスが原因で風邪を引き起こします。鼻水は、体がウイルスを洗い流そうとする防御反応なんです。

患者さん

冬の風邪とは違うんですか?

田中先生

冬はライノウイルスやインフルエンザウイルスが多いですが、夏はプール熱や手足口病の原因になるアデノウイルスやエンテロウイルス系が中心なんです。

患者さん

鼻水以外にも症状があるんですか?

田中先生

はい。夏風邪では喉の痛み、咳、発熱、倦怠感が出ることが多いです。特にアデノウイルスは38℃以上の高熱を伴うこともあり、長引く傾向があります。

患者さん

どうして夏に風邪を引くんでしょうか?

田中先生

夏は冷房による寒暖差、睡眠不足、食欲低下で免疫力が下がりやすいんです。体温が1℃下がると免疫力は約30%落ちるといわれています。そのため、普段は防げるウイルスにも感染しやすくなります。

患者さん

鼻水が出始めたら、家ではどう対処すればいいですか?

田中先生

まずは安静と水分補給です。発汗で体の水分が失われやすいので、経口補水液や水をこまめにとりましょう。鼻水自体は体の防御反応なので無理に止めなくても大丈夫ですが、つらい場合は市販の鼻炎薬や点鼻薬で一時的に和らげられます。

患者さん

鼻水だけなら病院に行かなくても大丈夫ですか?

田中先生

軽症なら自宅での安静で十分です。ただし、発熱が続く、咳が強い、倦怠感で日常生活に支障がある場合は早めに受診してください。特に高熱がある場合や、痛みで食べ物や水を飲み込むのが難しい場合、口が開けにくい場合、呼吸が苦しい場合は必ず医療機関へ。

患者さん

わかりました!ありがとうございます!

目次

まとめ

  • 夏風邪は アデノウイルス・エンテロウイルス・コクサッキーウイルス などが原因
  • 鼻水はウイルスを体外に出す防御反応
  • 夏風邪の主な症状は「鼻水・喉の痛み・咳・発熱・倦怠感」
  • 免疫力は体温が1℃下がると約30%低下 → 冷房や睡眠不足で感染リスク増加
  • セルフケアは「安静・水分補給・必要に応じて市販薬」
  • 受診の目安:高熱、痛みで食べ物や水を飲み込むのが難しい、口が開けにくい、呼吸が苦しい時
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