日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 専門医在籍施設

【耳鼻咽喉科専門医が解説】副鼻腔炎の正しい知識と予防策

今回は「副鼻腔炎」について、ある患者さんとの会話を通じてご紹介します。原因や症状、対策について詳しくお話ししますので、ぜひご参考にしてください。

先生、副鼻腔炎ってどんな病気ですか?

たなか先生

副鼻腔炎は、鼻の周囲にある副鼻腔という空洞が炎症を起こす病気です。この炎症で粘膜が腫れたり、膿がたまったり、鼻づまりや鼻水、顔の痛みなどが出ます。

それって風邪とはどう違うんですか?

たなか先生

鼻づまりや黄色い鼻水が代表的ですね。それに加えて、顔の痛みや圧迫感、頭痛もよく見られます。他には、匂いが感じにくくなる嗅覚障害や、鼻水がのどに流れ込んで咳が出る後鼻漏(こうびろう)も特徴的な症状です。

顔の痛みって、どのあたりが痛むんですか?

たなか先生

ほおやおでこ、目の周りが特に痛むことが多いです。副鼻腔が炎症を起こして腫れることで、その周囲に圧迫感が出るんですよ。

どうして副鼻腔炎になるんですか?

たなか先生

原因はいくつかありますが、最も多いのは風邪の後に細菌感染が起きるケースですね。他には、花粉やハウスダストによるアレルギーが引き金になることもあります。また、空気の汚れや化学物質にさらされる環境も関係しますし、喫煙は鼻の粘膜を傷つけて炎症を起こしやすくします。

タバコも関係するんですね…。私、吸ってるんですが、それも原因のひとつ?

たなか先生

はい、喫煙は大きなリスクファクターです。副鼻腔炎の発症率を上げるだけでなく、症状を悪化させることもあります。

予防する方法はありますか?

たなか先生

もちろんありますよ。まず、手洗いやうがいを習慣にして、風邪などの感染症を予防することが大切です。それから、室内の湿度を40~60%に保つと、鼻の粘膜が乾燥せず炎症を起こしにくくなります。また、花粉やホコリを避ける工夫も必要です。

なるほど。それ以外にもありますか?

たなか先生

あります。禁煙も非常に重要ですし、バランスの取れた食事や十分な睡眠を取ることで免疫力を高めるのも効果的です。

もし副鼻腔炎になったら、どう治療するんですか?

たなか先生

症状によって治療法が変わります。軽症の場合は、抗生物質や抗炎症薬、点鼻薬で炎症を抑えます。鼻洗浄も有効です。慢性副鼻腔炎や重症の場合は、内視鏡を使った手術で副鼻腔を開放することもあります。

手術って、大変そうですね…。

たなか先生

最近の手術は内視鏡を使うので、体への負担が少なく、回復も早いですよ。ただし、早期発見・治療で手術を避けられるケースも多いので、症状が長引く場合はすぐに耳鼻咽喉科を受診してください。

副鼻腔炎って、生活にも影響がありますよね?

たなか先生

そうですね。息苦しさや頭の重さで集中力が低下したり、睡眠の質が悪くなったりすることがあります。適切な治療を受ければ、これらの症状も改善しますので、我慢せずに相談してください。

わかりました。早めに対処します!たなか先生、ありがとうございました。

以上、「副鼻腔炎」の原因と対処法について解説しました。副鼻腔炎の主な原因には、風邪の悪化や細菌感染、アレルギー反応、鼻や喉の粘膜が乾燥すること、喫煙などの生活習慣が挙げられます。また、副鼻腔炎を放置すると、鼻づまりや顔の痛み、嗅覚障害などの症状が長引くだけでなく、慢性化することで日常生活の質を大きく損なうリスクがあります。そのため、副鼻腔炎を改善するためには、早期の治療が非常に重要です。手洗いやうがい、適切な湿度の維持、禁煙などの予防策を日々の生活に取り入れましょう。また、症状が重い場合や長期間続く場合は、抗生物質や点鼻薬などの薬物療法、さらには内視鏡手術などの適切な治療が必要となります。副鼻腔炎や関連する症状が気になる方は、早めに耳鼻科などの専門医での診察を受けることをおすすめします。
副鼻腔炎が気になる方は、快適な呼吸と健康な生活を守るために、ぜひ耳鼻科など専門医にご相談ください。

もしもの時の、対処方法に役立ちます!

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