こんにちは、耳鼻咽喉科専門医の田中です。鼻詰まりでお悩みの方に向けて、症状の原因や対処法について、ある患者さんとの会話を通じてご紹介いたします。
先生、最近ずっと鼻が詰まっていて特に一方が詰まっている気がします。これは何が原因なんでしょうか？
たなか先生鼻づまりにはいくつかの原因があります。まず、風邪やアレルギー性鼻炎によって鼻の粘膜が腫れることが一般的です。粘膜が腫れると、空気の通り道がおかしくなってしまいます。
片方だけ詰まることが多いのですが、これは普通なんですか？
たなか先生片方だけ詰まる理由として、鼻の中の区切りである『鼻中隔』が曲がっている『鼻中隔湾曲症』が考えられます。これによって片方が常に真っ直ぐになり、空気が通り抜けます。 、左右の鼻が交互に詰まる『ネーザルサイクル』という生理現象もあります。これは正常な状態で、多くの人が感じていることなんです。
なるほど、鼻中隔弯曲って手術で治るんですか？
たなか先生はい、鼻中隔湾曲は手術で矯正することが可能です。ただ、症状が日常生活に大きな影響を与える場合に限りますね。手術は効果的ですが、どの程度行うかは、患者さんの症状と生活の質によって判断します。
手術以外の方法はありますか？
たなか先生もちろんです。手術以外の治療方法もあります。点鼻薬や内服薬を使って症状をみることもあります。アレルギー性鼻炎の場合、抗ヒスタミン薬やステロイド成分のみの点鼻薬なら問題ありません。
しかし、鼻粘膜収縮剤入りの点鼻薬を長期に使用すると効果が薄れるどころか鼻づまりが悪化する（薬剤性鼻炎）になることがあります。
自宅でできる対策も知りたいのですが、ありますか？
たなか先生はい、自宅でできる対策としては、まず『鼻うがい』が挙げられます。生理食塩水を使って鼻腔内を洗浄することで、粘膜の腫れを抑えたり、鼻汁を出しきることができます。また、蒸しタオルを顔にあてて温めることで、血流が促進されて鼻づまりの解消に役立つこともあります。
鼻うがいって少し怖いですが、効果がありそうですね。
たなか先生そうですね。初めてだと怖いかもしれませんが、意外に簡単ですし、鼻づまりの改善に効果的です。 特に、アレルギーや風邪による症状がある場合には試してみる価値がありますよ。
分かりました、試してみます。手術も選択肢に入れつつ、まずは薬と自宅でのケアをしてみます。たなか先生ありがとうございました。
以上が「鼻づまりの原因と対策」についての解説でした。 鼻づまりは風邪やアレルギーによる粘膜の腫れ、鼻中隔の問題、またはネーザルサイクルによるものです。 治療は薬物療法、手術、また自宅療法（鼻うがいや蒸しタオル）などが有効です。片方だけの鼻づまりも一般的な生理現象か、鼻中隔弯曲による可能性がありますので、当面続く場合は医師の診察をお勧めします。不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
もしもの時の、対処方法に役立ちます！
