日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 専門医在籍施設

耳鳴りはなぜ起こる?原因・種類・治し方と受診の目安を解説

キーンという高い音が続く

静かな場所で耳鳴りが気になる

耳の奥でジー、ザーという音がする

耳鳴りは多くの方が一度は経験する身近な症状です。

一時的な耳鳴りであれば自然におさまることもありますが、長く続く場合や、聞こえにくさ・めまい・脈に合わせた音を伴う場合には注意が必要です。耳の病気だけでなく、血管の異常や全身の健康状態が関係していることもあります。

このページでは、耳鳴りの原因や種類、治療法、生活習慣で気をつけたいこと、耳鼻科を受診する目安についてわかりやすく解説します。

目次

耳鳴りとは

耳鳴りとは、外で音が鳴っていないにもかかわらず、「キーン」「ジー」「ザー」「ボー」といった音が聞こえる状態をいいます。

耳鳴りは一時的に起こることもありますが、継続的に続く場合や、日常生活に支障が出るほど気になる場合は、原因を確認することが大切です。

耳鳴りの主な種類

耳鳴りは、大きく分けて「自覚的耳鳴」と「他覚的耳鳴」の2つに分類されます。

自覚的耳鳴

自覚的耳鳴とは、本人にしか聞こえない耳鳴りです。実際に周囲で音が鳴っているわけではなく、耳や聞こえの神経、脳が存在しない音の信号を誤って感じ取ってしまうことで起こると考えられています。耳鳴りの多くはこのタイプにあたります。

難聴を伴って起こることも多く、加齢による聞こえの低下、騒音による耳への負担、突発性難聴、メニエール病などが関係することがあります。

他覚的耳鳴

他覚的耳鳴とは、血管の拍動や筋肉の動きなどが原因となり、まれに他の人にも確認できることがある耳鳴りです。

とくに「ドクドク」「ザーザー」と脈に合わせて聞こえる耳鳴りや、不規則に音が鳴るような耳鳴りは、血管や筋肉の動きが関係している場合があります。必要に応じて精密検査を行うことがあります。

耳鳴りの主な原因

耳鳴りの原因はひとつとは限らず、耳の病気だけでなく、生活習慣や全身の健康状態が関係していることもあります。

難聴・加齢による聞こえの低下

耳鳴りは、難聴とともに現れることが多い症状です。

年齢とともに高い音が聞こえにくくなり、聞こえにくさを補うように脳が音を頑張って拾おうとすると、存在しない音の信号を誤って感知して耳鳴りを感じやすくなることがあります。とくに高齢の方では、加齢性難聴に伴って耳鳴りを自覚するケースもあります。

騒音や大きな音による影響

ライブや工事現場などの大きな音や振動、イヤホン・ヘッドホンの大音量などによって、耳に負担がかかると耳鳴りが起こることがあります。

一時的におさまることもありますが、大きな音に長時間さらされる状態が続くと、聞こえの神経に負担がかかることがあります。

ストレス・睡眠不足・疲労

ストレスや睡眠不足、疲労は、耳鳴りを悪化させる要因になります。

とくに静かな場所や夜寝る前になると耳鳴りが気になりやすく、「耳鳴りが気になって眠れない」「眠れないことでさらに耳鳴りがつらくなる」という悪循環につながることもあります。

肩こり・首まわりの緊張

肩こりや首まわりの筋肉の緊張が、耳鳴りの感じ方に影響することもあります。

デスクワークが多い方、姿勢が悪くなりやすい方、首や肩のこりを感じやすい方は、ストレッチや適度な運動を取り入れることも大切です。

高血圧・糖尿病など全身の病気

耳鳴りは、高血圧や糖尿病など全身の健康状態と関係していることもあります。

例えば糖尿病による血管障害・高血圧による動脈硬化が耳の血流不全を引き起こし、耳鳴りに影響する場合もあるため、耳だけでなく、全身の状態を含めて確認することが重要です。

耳の病気

中耳炎、メニエール病、突発性難聴など、耳の病気のサインとして耳鳴りが現れることもあります。

とくに、片耳だけの耳鳴り、聞こえにくさ、耳のつまり感、めまいを伴う場合は、早めの受診をおすすめします。

注意が必要な耳鳴り

耳鳴りのなかでも、次のような場合は注意が必要です。

  • 脈に合わせて「ドクドク」「ザーザー」と聞こえる
  • 不規則な音が続く
  • 片耳だけ耳鳴りが強い
  • 聞こえにくさを伴う
  • めまいや吐き気を伴う
  • 突然、耳鳴りと難聴が同時に起きた

脈に合わせた耳鳴りは、血管の異常が関係している場合があります。また、不規則な音は耳の周囲の筋肉のけいれんが関係していることもあります。

必要に応じて、MRIやMRAなどの画像検査で脳や血管の状態を確認することがあります。

耳鳴りの検査

耳鳴りの診察では、まず問診で症状を詳しく確認します。

いつから耳鳴りがあるのか、どのような音がするのか、片耳なのか両耳なのか、聞こえにくさやめまいがあるのか、生活習慣や持病が関係していないかなどを確認します。

必要に応じて、聴力検査などで聞こえの状態を調べます。拍動性の耳鳴りや、原因の確認が必要と判断される場合には、MRI・MRAなどの画像検査を検討することもあります。

耳鳴りの治療法

耳鳴りの治療は、原因や症状の程度によって異なります。

急に耳鳴りが起こった場合や、難聴・めまいを伴う場合には、まず原因となる病気の治療を優先します。突発性難聴など、早期治療が重要な病気が隠れていることもあるため、自己判断で様子を見すぎないことが大切です。

慢性的な耳鳴りに対しては、薬物療法、音響療法(TRT療法)などを行うことがあります。

薬物療法

耳鳴りの原因や状態に応じて、内服薬などを使用することがあります。耳の血流や神経の働き、自律神経の乱れなどを考慮しながら治療を行います。

音響療法(TRT療法)

音響療法(TRT療法)とは、耳鳴りに近い音や環境音を聞くことで、耳鳴りを意識しすぎないようにしていく治療法です。

静かすぎる環境では耳鳴りが目立ちやすくなるため、小さな音を流すことで耳鳴りのつらさを和らげることがあります。

自分でできる耳鳴り対策

耳鳴りが気になるときは、生活習慣を見直すことで症状が和らぐことがあります。

  • 十分な睡眠をとる
  • 疲れやストレスをためすぎない
  • イヤホンやヘッドホンの音量を下げる
  • 大きな音を長時間聞くことを避ける
  • 肩こりを防ぐためにストレッチや適度な運動を行う
  • カフェインやアルコールを控えめにする
  • 静かすぎる環境では、小さな音楽や環境音を流す

ただし、これらはあくまで日常生活でできる対策です。耳鳴りが続く場合や、聞こえにくさ・めまいを伴う場合は、医療機関で原因を確認しましょう。

こんなときは耳鼻科を受診しましょう

次のような症状がある場合は、早めに耳鼻科を受診してください。

  • 耳鳴りが数日から数週間以上続く
  • 片耳だけ耳鳴りが強い
  • 聞こえにくさを伴う
  • 耳のつまり感がある
  • めまいや吐き気を伴う
  • 脈に合わせた耳鳴りがある
  • 突然、耳鳴りと難聴が同時に起きた

とくに「突然聞こえにくくなった」「耳鳴りと難聴が同時に起きた」という場合は、突発性難聴など早期治療が大切な病気の可能性があります。

時間が経つほど治療の効果が得られにくくなることもあるため、できるだけ早めに受診しましょう。

まとめ

耳鳴りは多くの方が経験する身近な症状ですが、長く続く場合や、聞こえにくさ・めまい・拍動性の音を伴う場合には注意が必要です。

原因には、難聴、ストレス、睡眠不足、肩こり、高血圧、糖尿病、耳の病気、血管の異常など、さまざまなものがあります。

「そのうち治るだろう」と自己判断で放置せず、気になる耳鳴りが続く場合は耳鼻科にご相談ください。早めに原因を確認し、適切な対策を行うことが、耳の健康を守る第一歩です。

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