今回は「湿っている耳垢って問題あるの?」という質問について、ある患者さんとの会話を通じてご紹介します。耳垢の種類や湿性耳垢とワキガの関係性について詳しくお話ししますので、ぜひご参考にしてください。
最近、耳垢が湿っていることが気になるんですが、これって何か問題がありますか?
湿った耳垢は、医学的には『湿性耳垢』と呼ばれます。この耳垢は、アポクリン汗腺という特別な汗腺が関係しています。アポクリン汗腺は、耳の中や腋の下に多く存在し、湿った耳垢を作る原因の一つです。
では湿った耳垢があると、耳の病気になりやすいとか、何か悪いことがあるんですか?
耳垢が湿っていること自体は病気ではありません。ただし、湿性耳垢が多いと、耳の中が湿りやすくなり、細菌が繁殖しやすい環境ができることがあります。これが耳の感染症や外耳炎の原因になることもありますね。
そうなんですね。耳垢の掃除はどうしたらいいですか?
基本的に、耳垢は自然に外に出てくるので、頻繁に掃除をする必要はありません。ただし、湿性耳垢は乾燥した耳垢に比べて固まりにくく、耳の中に溜まりやすいことがあります。耳垢が詰まって聞こえにくくなったり、痛みを感じたりした場合は、耳鼻科で適切な処置を受けることをお勧めします。
症状が出たら耳鼻科受診します。ちなみにワキガと耳垢が関係しているって聞いたことがあるんですが、本当ですか?
はい、アポクリン汗腺がワキガの原因になることがあります。耳垢が湿っている人は、アポクリン汗腺が活発であるため、ワキガ体質の可能性が高いとされています。ただ、耳垢が湿っているからといって必ずしもワキガであるとは限りません。耳垢の性質とワキガは、あくまで汗腺の働きに関連しているだけです。
可能性の話なのですね、わかりました。
耳鼻科では、耳垢が詰まって聞こえが悪くなった場合や外耳炎などの感染症が疑われる場合に適切な治療を行います。特に、耳掃除を頻繁に行いすぎると逆に耳の中を傷つけることがありますので、困ったときは無理せずに耳鼻科を受診するのが良いですね。
はい!困ったら耳鼻科を受診します。
以上が、「湿性耳垢とワキガの関係」についての解説でした。湿性耳垢は、アポクリン腺が活発なためワキガと関連している可能性があり、アポクリン腺から分泌される汗が臭いの原因となります。湿性耳垢を持つ人はワキガ体質である確率が高いですが、必ずしもワキガとは限りません。
耳の健康を守るために、何か不安なことがあればいつでもご相談ください。
もしもの時の、対処方法に役立ちます!